サンフランシスコ

<h2>サンフランシスコのチャイナタウン</h2>






お節介親父のホームページへようこそ

このページでは何十年も前のサンフランシスコ
に舞台を借りて
思い込みから生まれた笑い話を
ご紹介します

舞台はサンフランシスコ
チャイナタウン・・・・中華街です




随分と昔の話ですが、青年の船とかいう
夏休みの期間を利用した洋上研修の旅に多くの若者
が参加したときの笑い話です。

 500人だか千人だかさだかではありませんが、
日本中から大学生が参加して、1万トンを
超える船の上で研修を受けながら太平洋を横断したのです。

 豪華客船の旅ではありませんから、船の食事は
量だけは充分でも、
あまり、美味しくありませんでした。

 船はサンフランシスコの港の何十も並んだ埠頭に横付けされ、
そこをホテルがわりに、
気の合った同士アチコチに小旅行を楽しんでいました。

 船の泊まっていた埠頭からはサンフランシスコの街へ
歩いていくことが出来ましたし、

美味しい中華料理を期待できる中華街も
それ程遠くありませんでした。

 歌にも歌われたサンフランシスコのチャイナタウン
・・・・中華街です。

数人の気の合った若者がさあ今日はどう過ごそうか、
明日からはまたロサンゼルスやヨセミテ
国立公園への旅へと別々のツアーになる仲間もいたので、
「よし、たまには中華街で、宴会
と・・贅沢しよう」ということになったのです。

 ここぞという店を決めるとその数人の若者は円いテーブルを囲み、
さあ何を注文しようかということになりました。

 実はサンフランシスコに到着してからは、
食事は各自、自分で手当てするような状況になっていて
白い米のご飯には、皆ろくにありついていなかったので、
白い米を食べられる中華料理
には特別の思いを抱いていたのです。

 いくつかの料理、の注文を決めさあウエイターを呼ぼう
という段取りになったときです。
 仲間のひとりが「美味しい漬物があると
米がほんとに美味くたべられるんだよな」
「無理かな・・・・」するともう一人が「漬物は無理だろうけど、
ザーサイって中国のものだろう、あれなら注文すれば出てくるんじゃないの」
・・・「そうだよ、俺もザーサイ食いたい・・・・」

「注文しようよ」ということでウエイターを呼びメニューを指し示し、
肉野菜、卵、蟹といった料理を注文した後・・・・
「ザーサイ忘れるなよ」「ザーサイってなんて
いえばいいんだよ」

「ザーサイは中国語だぜそのままでいいんだよ」・・・・・・
ということで「それとザーサイください・・・・・もちろん英語で・・・多分
    「And   We would like za-sai]
とかいったんですよ

 ・・・ウエイターはキョトンとした顔で全く分りません、
するとひとりが 「俺たちの発音
じゃあ、ザーサイが通じないんじゃないの・・・・・」

「じゃあなんていえばいいんだ?・・・・」
「英語で、、中国の漬物・・・チャイニーズ ピックルスだろ」
ひとりが得意げに言いました。

 そして、「And We would like chinese pickles]
と注文しました。ウエイターはにっこりして「シュア」とかいって
厨房らしい方向に歩いていったのです。
「お・・・うまくいったぜ」全員にっこり・・・待つことしばし
大きな・・・巨大な?皿を捧げ持ったウエイターがやってきました。

 そして巨大な皿のうえにはなんだか訳の分らない色とりどりの野菜の
漬物が並んでいました。

そしてザーサイは?・・・・・・・どこにも見えません

 「ザーサイはこの中に無い・・・・・みな・・違う・・要らない」
 皆・・・がっかり・・「通じないよ・・・」
「中華料理店なんだから、ザーサイはあると・・
思うんだがな・・・・」
皆なんとなく意気消沈・・・・・・・・・
 とそこで急に一人が大声で言い出しました。
「漢字で書けばいいんだ、中国人とは筆談に
限るって・・・・・誰かザーサイって漢字書けるか?」・・・・・

 「俺・・船のなかで桃やのザーサイのビン詰め・・食べてたから
頭に字が焼き付いてるんだ」

「こうだよ・・・・・
 菜・・・」彼は得意げに書いてみせました。
一同これで
 菜にありつける、と大喜び
・・・・・さっそくまたあの中国人のウエイターを
呼んだのです

・・・・・たまたまそこに置かれていた、
何かのパンフレットの裏の白い地に
大きな文字で書いた「
 菜」という文字を指差し・・・・
「ザーサイください」
 と皆声をそろえていたのです。

 ウエイターは文字を見つめけげんな顔をしながら、
ひとこと答えたのです

「すみません貴方の
お国の言葉は・・・・分りません」
 


 彼は顔こそ中国人でしたが何代も前からサンフランシスコに住む・・・
中国系アメリカ人でした。

 人に話しをするときには、相手がなにものか充分確かめてから
というように心に決めた瞬間
だったかもしれません。



ページ上と

左に並べた写真は
S.shimizuさんの写真集サイトからご本人
にお断りしお借りしたものです
S.Shimizuさんの写真集サイトはこちらです

http://sfo.web.infoseek.co.jp/index-j.html


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